撮影写真に人が映り込んでいた場合の画像の使用方法と炎上騒動の件
こんにちは。今日は撮影した写真に他人が写り込んでいた場合についてお話しします。まず質問です、あなたならどうしますか？
①気にしない！使っちゃう
②写り込んだ人の顔にモザイクをかけて使う
③写り込んだ人をPhotoshopで消しまくる。
①は完全ダメっにゃん。
②か③でやるしかないにゃー
ゆるーい質問をしてしまい、大変失礼しました。
今回のお話は肖像権についてのお話しです。
肖像権根拠条文
憲法13条：幸福追求権
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
肖像権を直接明記した条文はないのですが、判例上、憲法13条を根拠条文として認められています。肖像権とは、自己の肖像（写真、絵画）をみだりに使用されることが無いようにプライバシーを守るための人格的権利となります。
先ほどの質問に戻ります。
①気にしない、使っちゃう。これ絶対ダメかと言ったら、そうとも言い切れないのです。例えば、人物が写り込んでいても、誰だか特定できないものは肖像権侵害にもなりませんから、これは使用して問題ないと言えます。
②写り込んだ人の顔にモザイクをかけて使用する。これは新聞や雑誌などの媒体では、このようにして掲載していますね。そう言えば昔の新聞や雑誌は肖像権などの意識が低かったので、事故現場に居合わせたような人の顔写真とか、被害者とかも、かなりオープンに公開してましたよね。
最高裁の判断：被撮影者の人格的利益の侵害が，社会生活上受忍の限度を超えるかで、肖像権侵害か判断されるとのこと。
③写り込んだ人をPhotoshopで消しまくる。もしくはぼかす。これは私も新人の時にやらされましたね〜。かなり時間がかかるので重労働なのです。デザイナーとしては、このパターンが多いのではないでしょうか。
要は、人物が特定できるのはダメ。しかし、肖像権とは写り込んだ人のプライバシーの権利なので、その人の許可を得れば良いということになります。
海辺の撮影でビキニ姿のお姉さんが写り込んでも、お姉さんの顔が判明しないなら良いってことにゃんか？
それは盗撮と勘違いされる可能性のある行為なので、、、写り込まないように気をつけてくださ〜い！
ところで、肖像権の問題としてもう１つ考えなければならないのは、発信側の意識です。
最近はSNSなどで様々な写真をあげる事が当たり前です。あげた写真が不正に利用出来ないような方法があれば良いのですが、現段階では技術的には難しいのです。
スクショで簡単に出来てしまいますし、、、。
ちなみに、私の知り合いの会社がInstagramの写真で炎上騒動を起こした事があります。
炎上すると、あっと言う間に日本中に情報が拡散され、社長の写真から従業員の写真まで、まとめサイトなどに一気にアップされていきました。そうなったら誰も止めることはできません。
拡散された人に肖像権があるって言ったって、そんなのはどこふく風、ありとあらゆる媒体で広げられてしまいます。本当に気の毒な事です。
そして一度拡散されてしまったら、画像を消すことはほぼ不可能です。ですから写真を発信する側が予防措置として、そういった危機意識を持っておかなければなりません。
当事務所では、炎上対策サポートから、実際に炎上騒動を起こしてしまった場合の対応方法までサポートしております。お気軽にご相談ください。